去る9月9日(月)、TKP東京駅セントラルカンファレンスセンター ホールにて
「3.11いまが分かる会議in東京」が開催されました。
東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)が主催の会議で、
「2011年3月11日に発生した東日本大震災から8年が経過しますが、復興は道半ばにあり、コミュニティ形成や見守り、過疎化・人口減少を踏まえた復興まちづくり、震災で傷ついた子どもの支援、避難指示解除後の生活再建など共通課題から各県の個別課題がいまなお残っています。
これらの課題を考えることは、これから日本が抱える社会課題を考えることにもつながり、また、各地で発生している次災害への教訓や知見を生み出す機会でもあると考えています。
今、東日本大震災で起きていること、課題となっていることについて、岩手県、宮城県、福島県ならびに開催地である東京からもゲストを迎えて多くの方と考える機会にしたい」と考え、企画したものです。
当日は、支援団体や行政の方など、83名の方々が参加されました。
第1部は、「孤独・孤立をいかにして地域で見守るか」をテーマに、話題提供とパネルディスカッションがおこなわれました。
・岩手県 東梅麻奈美 氏(NPO法人ワーカーズコープ大槌地域福祉事業所 所長)
・宮城県 新井信幸 氏(NPO法人 つながりデザインセンター・あすと長町 副代表理事)
・福島県 米倉一磨 氏(NPO法人 相双に新しい精神科医療保健福祉システムをつくる会(相馬広域こころのケアセンターなごみ)センター長)
・東京都 森田眞希 氏(NPO法人 地域の寄り合い所 また明日 代表)
岩手の東梅さんからは、共生ホームという特色を存分に活かして、震災後の大槌の課題をひとつずつ丁寧に拾いながら、制度事業や心の復興事業を活用しながらの活動と、制度でカバーしきれない課題にも取り組んでいる多様な事業についての紹介がありました。現在の課題として、①地道でゆるやかな関係作り ②人手の確保 ③様々な関係機関との連携、情報共有 ④対象を限定しないコミュニティ作り ⑤復興期間終了に伴い、将来的に復興予算が切れる。人材もいなくなる。という点が場に投げかけられました。
参加した皆さんからは、「地域で居場所づくり等を支援する活動を行っています。日ごろの活動を災害時にどう活かせるか考えたいと思っていましたので、孤立を防ぐためのヒントをいただけた気がします」「どんな関わりが出来るのかわからなかったが、現地に行くこと、子どもや高齢者と一緒に過ごすことが支援に繋がることが分かった」などの感想がありました。
第2部は、3県それぞれのテーマでトークセッションをおこないました。
・岩手県:3.11の経験を次世代へ繋ぐ 〜岩手からの恩送り~
菊池のどか 氏(株式会社かまいしDMC/地域創生事業部鵜住居トモス運営課)
・宮城県:津波がこどもに与えた影響とこどもを軸とした地域づくり
天澤寛子 氏(NPO法人 浜わらす)
・福島県:避難指示解除区域の現状と課題
横山秀人 氏(一般社団法人 いいたてネットワーク 代表理事)
菊池さんご自身の震災時のエピソード(当時釜石東中学校3年生)からガイドを目指すまでの背景と現在勤務している「いのちをつなぐ未来館」の成り立ちについてご紹介いただき、現在感じている課題として、①大人への防災教育の場の不足 ②震災の記憶がない世代への防災教育の難しさ ③死にたくない。若い人に助かってほしい。だから、逃げない。 ④瓦礫の町が懐かしいという高齢者子ども達へのケアと声掛けについて が、出されました。
参加した皆さんからは、「若い方がガイドとして語り継いでいて、その中で問題意識をたくさんお持ちだったので、考えさせられることがありました。」「瓦礫の町が懐かしいというのは、同じく衝撃だ。福島にも通じるものがある。」「家庭での防災教育にはどのようなものがあるのか?」などの質問が寄せられました。
台風15号の影響はありましたが、たくさんの方々が東北へお心を寄せ続けて下さっていることを、強く感じた一日でした。
岩手・宮城・福島。それぞれの課題にひとつずつ丁寧に向き合い、それらの解決を目指したひたむきな取り組みを知ることで、参加した皆さんと共に考え、東北へ関わり続けていこうと思うきっかけを投げかけて下さいました。
いわて連携復興センターは、東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)の岩手担当として、今後も岩手と全国を繋ぐことを目的に取り組んでまいります。
なお、この3.11いまが分かる会議は名古屋・大阪でも開催されます。
3.11の今がわかる会議 in 名古屋(9月27日)開催のお知らせ
https://jpn-civil.net/2014/blog/2019/08/311_in_927.html
3.11の今がわかる会議 in 大阪(10月11日)開催のお知らせ
https://jpn-civil.net/2014/blog/2019/09/311_in_1011.html
こちらも、是非ご参加ください!