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コミュニティ関係

9月25日(日)、陸前高田市の市営住宅中田団地(災害公営住宅:2棟197戸整備)で消防訓練が行われました。当日は、火災を想定した避難訓練と体験訓練2種(水消火器・発電機の扱い方)、陸前高田市消防署による連結送水管からの放水訓練見学を行いました。台風の影響や天気も心配されていましたがこの日は朝から快晴で、193世帯入居のうち166世帯、86%が参加しました。防災訓練の参加率が全国平均33.2%の中(内閣府HPより)、非常に高い参加率となりました。

いわて連携復興センターでは、災害公営住宅におけるコミュニティ支援の一環として、今年5月に中田団地自治会が臨時役員会で訓練実施を決めてから伴走支援を行ってきました。まず、住宅の防火管理者である(株)寿広の担当者と連携体制をつくり、一緒に役員会に参加しながら話し合いや合意形成のサポート、また、役員会以外でも細かな打合せを重ねて、より多くの住民が参加・体験し、団地全体の実用的な防災力や共助の力を高める機会となるように準備を進めました。

より多くの住民が訓練に参加するための工夫の一つとして、「小さな役割を分担して担い、自分ごととして動く機会を作ること」があります。今回、避難訓練の中で発煙係、非常ベル係、初期消火係、通報係、避難誘導&点呼係、報告係など、全部で35名を配置しました。有事の際に避難を促す重要な役割を持つ避難誘導係は、各班の班長にお願いし、班長が対応できない場合には班内で話し合って代理を出すように依頼しました。事前に自治会役員と班長との合同会議も開催し、全27班で班体制を活かした動きをすることができました。高齢者も多い同団地において、多くの住民や車いすの方も訓練に参加したことは、役員・班長にとっても手ごたえになったようです。

岩手県内の災害公営住宅では、一般化による住民の入れ替わり、担い手不足や住民の高齢化もあり、自治会の将来の継続性に不安を感じところも少なくありません。大規模な住宅では、毎年の消防訓練が義務付けられているので、訓練を通じて、実施への理解促進・計画・準備・役割分担といったプロセスを一緒に進め、住民どうしのつながり作りにつなげることも有効です。更に、実施してから様々な気づきが出てくるので、それをしっかり共有し、次の話し合いにつなげて継続すると、より良い動きになっていくと思います。そのためには、他地域の事例や専門的知見をもった伴走者も地域から求められていると感じます。

現在、陸前高田市内の他の災害公営住宅3か所、および、大船渡市内の県営災害公営住宅でも今回と同様の伴走支援を行っており、10~11月に各団地で消防訓練が行われる予定です。いわて連携復興センターでは、引き続き、コミュニティ支援として、各地で災害公営住宅自治会や住民の実践力の強化を図る取組みをサポートしていきます。