快晴の11月6日(日)、陸前高田市の今泉団地(災害公営住宅/市営:2棟61戸整備)で消防訓練が行われ、子どもから90代まで住民50名が参加しました。いわて連携復興センターでは、災害公営住宅におけるコミュニティ支援の一環として、令和3年度から今泉団地自治会の消防訓練企画・運営の伴走支援を行っています。今年度も、春から自治会役員会および訓練担当者での検討を重ね、団地の防火管理者である(株)寿広陸前高田市営住宅管理センターや陸前高田市社協とも連携してサポートし、準備を進めてきました。
当日は、まず火災を想定した避難訓練です。
1号棟2号棟それぞれで火災想定場所から発煙等による煙を出して非常ベルを鳴らし、初期消火・通報など各係が対応します。避難誘導・点呼係は、必要に応じてインターホンやドアを叩いて住民に火事を知らせながら煙を避けた階段での避難を促し、避難集合場所で階ごとの避難者の点呼を行います。そして、集計・報告係が各階の状況を取りまとめ、安否確認できない部屋の有無を確認し消防に報告しました。各係の配置は準備の中で検討し、役員だけでなく住民が少しずつ小さな役割を担い協力できように分担しました。
続いて体験訓練です。
3つのグループに分かれて、水消火器・煙ハウス・119番通報の3種を15分毎に移行して全て体験します。煙ハウスと119番通報は、昨年の体験を踏まえて役員からのアイディアで新しく実施したメニューで、住民も積極的に取組んでいました。
最後に、陸前高田市消防による要支援者救助のデモンストレーションを見学して終了しました。こちらも救助の方法を学びたいとの声を元に、消防の協力を得て取り入れたもので、みなさん熱心に学んでいました。
昨年度に続いて80%以上の世帯が参加した事、当日運営もスムーズに行えたことで自治会役員の方々にも達成感が伺えました。今回、訓練後に住民から「避難集合場所で階ごとに並んでみて、同じ階なのに初めて会う方もいた。中庭が広いから食事しながら交流する機会も作れたらいい。」との声が出ていたことが印象的でした。
災害公営住宅におけるコミュニティ形成では、初期の自治会等の立ち上げタイミングやプロセスがとても重要ですが、こうして何年か経過した後でも、住民どうしの繋がりづくりの機運を起こすことができます。そのためには、顔を合わせる機会や話し合う場があることが必要だと感じます。いわて連携復興センターでは、引き続き、コミュニティ支援として、各地で災害公営住宅自治会や住民の実践力の強化を図る取組みをサポートしていきます。