HOME > 企業連携 > 【開催報告】企業「株式会社NTTドコモ」とNPO「新生おおつち」「月あかりの会」連携事例(2023年度)

企業連携

企業とNPOが連携して、地域や社会の課題解決に取り組む事例は県内でも多くみられるようになってきました。
今回は、令和5年度被災者支援コーディネート事業の一環で、いわて連携復興センターが、被災地支援に取り組んでいる株式会社NTTドコモ様と大槌町を拠点に活動している「新生おおつち 様」と「月あかりの会 様」をおつなぎし、大槌町でのコミュニティ支援活動の開催が実現いたしましたので、「支援型連携」の事例としてご紹介いたします。


〇「新生おおつち」様
新生おおつち様は、震災で家や家族を失った大槌町民が、高齢者の見守りなど地域貢献を目的に結成した会です。震災後、仮設住宅や独居などで孤立し、アルコール依存症などに陥る人が多く、高齢者、特に引きこもり傾向にある独居の男性を対象とした見守り活動や彼らの生きがいと居場所づくりが必要だと考え、いきいき農園活動を開始しました。現在は、農作業を通じて、仲間を増やしてもらい、さらに作った野菜は地域食堂の材料として活用しています。

令和6年3月16日(土)・17日(日)、大槌町の畑の掘り起こし作業として大槌町内の高齢男性をはじめとした地域住民9名が参加しました。近年鹿被害が激しいこともあり、一番の楽しみである収穫が散々だったこともあり、鹿対策用の杭打ちとネット張り作業など念入りに丁寧に作業が進められていきました。

今回は町内で耕作放棄された畑の活用を手がける30代の移住してきた若者たちも新たに加わり、情報交換を行いながらの作業となった。何を植えようか、次はいつ集まろうか、などの計画だけでなく、さつまいもの連作(同じ場所に同じ野菜を植えること)は出来に影響するのか、といった専門性の高い話題も生まれました。
農作業を通じて、多世代交流や仲間を増やす活動となり、さらに作った野菜は地域食堂の材料として活用していくことでの生きがいの創出につながっています。



〇「月あかりの会」様
月あかりの会様は、大槌町社会福祉協議会様が行っていた地域食堂事業が発端となり、2019年から任意団体です。大槌町文化交流センター・おしゃっちが開設され、大槌町民が集う場所ができた中、お腹を空かしている子ども達が多い現状を目の当たりにし、子ども達の心の安定、地域のつながり/関わりをつくりたいという想いから、おしゃっちを会場に地域食堂を始めました。
令和6年3月9日(土)、大槌町文化交流センター・おしゃっちを会場に地域食堂「おしゃっち食堂・和みカフェ」が開催されました。雪がちらつく天気の中、スタッフは9時に集まり、調理を開始手際良く進められる準備中も、自分が子どもの頃の話や、家庭の味付けや献立について等、話は尽きず、楽しくにぎやかな時間を過ごされていました。

当日のメニューは、大槌の郷土料理「すっぷく」、桜でんぶ等で彩られたおいなり2つ、もやしとほうれん草のゴマ和え、たくあん、イチゴを用意。当日は32名が参加し、日頃は一人でご飯を食べる独居高齢者の方にとっては、子どもたちの笑い声を聞きながら食事ができる貴重な時間となりました。
コロナ禍では控えられていたおしゃべりもしながら、世代を超え、一つの料理を食べることで共通点ができ、地域と繋がる場となり、和みカフェの名の通り、人の温もりを感じる優しさが漂う和やかな空間が出来上がっていました。

私たちいわて連携復興センターは、変化していく被災地の声に耳を傾けながらも、継続的に被災地の復興支援に取り組む企業様の想いとリソースを地域につないでいきたいと思います。