これまで、東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)と共に実施してきたユースサミット・ユースダイアログを通して、「若者から若者への伝える3.11」の取り組みを継続させる必要性を感じ、今年度から「Youth Memory」としていわて連携復興センターが実施しています。第1回目は11月28日に釜石高校で、第2回目は12月18日、1月23日に花巻東高校にて開催しました。
花巻東高校では探究事業の一環として取り組んでいます。
1回目に岩手県宮古市出身、福島県富岡町出身の2名より震災当時の体験、状況やこれまでの変化等についてのお話を伺った後、各グループで東日本大震災を題材にもう少し身近な探究に落とし込んでいくために「3.11と○○」というテーマと仮説を設定し、身近な人へのインタビューや調べ学習を行いました。
2回目では、5つのグループに分かれて、それぞれのグループで設定したテーマに基づいたリサーチ結果ついて発表を行いました。テーマには「ボランティア」「心」「サッカー」などが設定されており、グループごとに異なる視点から掘り下げることができました。
特に「ボランティア」というテーマを選んだグループが複数ありましたが、それぞれ異なる切り口で発表を行いました。あるグループは募金や寄付に着目したり、当時実際に行われていたボランティア活動について調査し、そこから学んだことをもとに「もし災害が起きたときに、自分たちには何ができるのか」という視点で意見をまとめていました。今回は全員がサッカー部というクラスでの開催だったこともあり、サッカーに関連した内容もありました。
今回のユースダイアログでは、多くの生徒が岩手県の内陸や県外出身ということもあり、東日本大震災について「言葉としては知っていたが、実感がなかった」という声が多く聞かれました。しかし、震災を経験した登壇者から直接話を聞き、リサーチやインタビューを通して震災を深く考える機会となりました。
アンケートでは、「今の当たり前が当たりまえではない」「防災意識を持とうと思った」「テレビやニュースの情報は一部で実際の経験した方の話を聞けて考え方が変わった」といった意見が多く寄せられました。
震災を知らない世代が増える中で、経験を伝え、考え、次の世代に生かしていくことの大切さを改めて感じる機会となりました。今後も、若い世代が「自分ごと」として震災や防災について考えられる学びの場づくりを取り組んでいきます。