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団体紹介(県外)

6月7日(日)、宮古市民文化会館にて、『日本フィルハーモニー交響楽団・東北の夢プロジェクト2020特別企画「日本フィルハーモニー交響楽団×宮古高校吹奏楽部 スペシャル座談会」』が開催されました。

昨年12月に東京・秋葉原で開催した「岩手NPO×首都圏企業 東京交流会」に参加してくださった日本フィルハーモニー交響楽団が、コロナ禍に行った活動としてご紹介します。

同楽団は、「被災地に音楽を!」プログラムで東日本大震災の復興支援を行っており、昨年8月に盛岡で開催したコンサートで宮古高校吹奏楽部と共演しました。しかし、今年は新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、岩手・東北に来ることが難しい状況となりました。

また、宮古高校吹奏楽部では、活動が休止し再開できない中で3年生が引退。さらに、全国吹奏楽コンクールも中止となり、部員たちは「何を目標に活動していけばいいのか」という思いを抱えていました。その中で「プロの演奏家と社会や音楽について話をしたい」とのアイディアが出され、「これはきっと未来につながる」と感じた顧問の先生が、「この状況でも何はできることはないか」と考えていた同楽団と検討し、短い準備期間にも関わらず実現したそうです。

当日は、オンライン(Zoomを活用)により同楽団事務局および金管5重奏のメンバー計6名と、同吹奏楽部員57名がつながり、「お互いに音楽を大切にしている者どうし、オーケストラのメンバーと本気で音楽について話し合う時間にしましょう!」とスタートしました。

「感動を与える演奏をするにはどうしたらいいのか?」
「YouTubeで見る演奏でも感動するが生演奏と何が違うのか?」
「コロナでコンサートが開催できない中で感じたことは?」
「コロナにより音楽の優先順位が以前より下がってしまうのではと心配だが、今後の音楽の可能性は?」
など、高校生からの質問はとても率直で鋭いものも多くありましたが、楽団員がそれぞれに思いを伝え、非常に熱く濃い座談会となりました。

中でも、今後の音楽の可能性については、「音楽に限らず全ての文化芸術は良い時代にこそ良いものが生まれる。だから、良い社会・良い世の中を作っていくことが大事。どんなジャンルの芸術も音楽も、安心してそれが作れる状態を作れるようにしていかなければならない。」と、人として音楽家として社会との関り方も話されていたことが印象に残りました。まさに、オンラインでの高校生へのキャリア教育の機会であったと感じます。

最後に、吹奏楽部を代表して部長から「プロの方をこれまでより身近に感じる事ができ、自分たちだけでは答えにたどり着けないことへのヒントをもらった。プロもアマも音楽の文化を続けていかなければならないと感じた。」とお礼の言葉があり、顧問の先生からは「未来に向けて語り合うコンセプトだったが、音楽の原点を考える機会になった。」と力強いコメントがありました。

今回は無観客で行われましたが、コロナ禍における県外からの活動(復興支援)のあり方としても非常に参考になりました。これからは、どの分野においてもリアルとオンラインを上手に組み合わせていくことが重要になると改めて感じます。その意味でも、この座談会は「地方にいても文化や芸術に触れる機会が増える」という可能性を見い出し、機会が増えるからこそ生=リアルに触れる価値を伝えるものでした。そして、参加した高校生が、岩手からも地方の文化や良いところをこれまで以上に発信できることを知るきっかけとなったのではないでしょうか。

「被災地に音楽を」プログラムは、日本フィルハーモニー交響楽団のHPで詳細が紹介されています。また、座談会の出演者詳細などは宮古市民文化会館のHPで掲載されています。