10月26日に「第48回いわて内陸避難者支援ネットワーク会議」を住田町にある「イコウェルすみた」を会場に開催致しました。
「イコウェルすみた」は、東日本大震災で甚大な被害が出た岩手沿岸南部の 陸前高田市・大船渡市・釜石市に隣接する住田町が、被災者を受け入れ、 更に支援に訪れる町内外の方々との間に多様なつながりが生まれるきっかけにもなった 「住田型応急仮設住宅」を一戸そのまま再現し、震災の記憶や記録を継承する施設として「展示棟」があるほか、 コワーキングスペースとして、グループワークが行えるスペースの「共用棟」「オフィス棟」もあります。 内陸NW会議の前後には、この施設内を見学させていただきました。
第48回の会議の話題は、各団体の取り組みの共有がメインでしたが、 復興財源が先細りになっている中、必要な支援をいかに地域に根付かせていくか、 逆に被災者の現状や課題をしっかりと発信し必要性を伝えていくか、 という話題が出ました。
また、コミュニティ形成に関する話題も出ました。自分たちでやろうという意識が芽生え始めた地域や、住民主体の動きまでもう少し時間がかかる地域など、 人々の繋がりやコミュニティは自然発生的には生まれにくいため、サロンやイベントなどの“場づくり”などを、その地域に応じたやり方で仕掛けていくことが必要です。 うまくいったやり方等、いわて内陸避難者支援ネットワーク会議が支援団体同士の情報交換の場となっています。
◾️ 「仕事と学びの複合施設-イコウェルすみた-」とは
住田町は林業日本一の町づくりを行っており、仮設住宅についての独自の構想を持ち、 東日本大震災以前にその大まかな設計が完成していました。 そのため、震災後、早急な対応が必要として超独自の仮設住宅建設を決断!! 3つの町有地に110棟(一般向け93棟、医療関係者向け17棟 )を建設し、 火石(ひいし)団地・本町(もとまち)団地・中上(なかがみ)団地として 震災から2ヶ月後の2011年5月には近隣からの被災者の木造仮設住宅への入居が始まりました。
木材加工技術を生かし住田町独自に建設した木造一戸建ての仮設住宅は全国的にも珍しく、 「住田型」として注目を集めました。
2021年12月に仮設住宅は閉所となったのち、本町団地が住田町「跡地利活用方針」により、 仮設住宅の部材を再利用して震災の記憶や記録を継承するとともに、 リモートワークやテレワークといった新たな働き方の受け皿となる施設として再整備されました。
〈HP参照〉https://www.icowell-sumita.com/